クラシック声楽, 歌

カヴァレリア・ルスティカーナ

カヴァレリア・ルスティカーナ

心の均衡

有名な間奏曲で知られるマスカーニ作曲のオペラ、「カヴァレリア・ルスティカーナ」。有名なアリアに「ママも知るとおり(voi lo sapete o mamma)」があります。自分の婚約者がかつての恋人とよりを戻した事を知ったサントゥッツァが歌うアリア。傷心で自分の母親に歌いかけます。
「彼は私を愛してくれた・・・私も彼を愛した。けれど彼とローラはまた愛し合うようになってしまった!!」
現代風に置き換えると、自分の彼氏がなんだかこそこそしているなぁ・・・あやしいなぁ・・・と思って彼の携帯を盗み見てみたら(←最低)ラインで元カノと浮気してる痕跡を発見した!!みないな感じですかね。しかも元カノはもう結婚していて人妻なのに!!という泥沼状態
現代でも修羅場必至なこの物語。もちろん、劇中でも修羅場を超えて決闘から殺人にまで至ってしまうという何とも悲劇的な結末になっています。イタリアのヴェリズモオペラ(写実主義)の代表作といわれていますね。

キャラクターの心理

狂乱の淵へ

歌い出しのPの扱いをどうするかによって、この曲の全体像が変わってくると思います。深く深く嘆き悲しんでいるのか。絶望の縁を過ぎ、心が死んでしまったのか。この歌い出しの感情表現をどちらに置くのかによって、サントゥッツァの最後の心の叫びがまだ人間味のあるものなのか、狂気の淵への一歩なのかが変わっていきます。
ドニゼッティの「ランメルモールのルチア」の狂乱の場ほどの狂気はありませんが、そこへ向かおうとする精神の一端を垣間見せる事によってサントゥッツァのキャラクターに深みを持たせる事が出来ます。実は原作ではサントゥッツァは嫉妬にかられて告げ口をするだけのちょっと軽い女としての端役扱いでした。舞台化、オペラ化にあたって重要キーパーソンとして持ち上げられています。舞台上では、言ってみれば、サントゥッツァの扱い次第で物語のまわし方が変わっていきます。そこは演出家の意思、力量の見せ所でしょうか。
たった数小節のフレーズを丁寧に読み解く事によって、そのオペラの全体像が変わっていくと言うのもオペラの面白さ、オペラ歌手の力の見せ所ですね。

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