withコロナ時代の声楽レッスン

2020年の幕開けとともに始まったコロナとの闘い。2019年に一年のレッスンを終えた時、2020年に向けての抱負や希望を思い描いていたのですが、まさかこんな一年になろうとは、誰も予想できなかったですよね。

そして、世の中の音楽教室はコロナの時代にどうやってレッスンを行っていくのかということに常に向き合う一年が始まってしまったのです。

  1. 歌というジャンルがはらむコロナ感染の危険
  2. 声楽レッスン教室としてできる対応
  3. レッスンを行える幸せ
  4. 声楽教室はコロナ時代をどう生きるか

1.歌というジャンルがはらむコロナ感染の危険

新型コロナウイルス感染症が拡大を続ける中で、様々の研究機関が感染の経緯や経路を解き明かそうとし、多くのレポートが発表されました。

そのたびに、どこの店舗経営者も、どういった対策を店舗に施せばいいのか、右往左往していたと思います。

 声楽教室を運営していく中で、1番の問題になったのはやはり飛沫でした。割と早い段階から、吹奏楽器などの楽器類は比較的飛沫の拡散は思ったほど広がらないという研究結果が出されました。しかし、その研究結果と同時進行で、どれほど実験をしても「歌」というジャンルは飛沫拡散が起きてしまうという研究結果が出てきてしまったのです。

 大声を出すことが飛沫拡散につながるという前提がある以上、「歌」というジャンルの飛沫拡散は避けられないことです。  そうは言っても、同じ音楽教室なのに、「声楽教室」というジャンルは他のジャンルの音楽教室よりもレッスン再開に対して慎重にならざるを得ない状況になってしまったのです。

声楽レッスン教室としてできる対応

とにもかくにも、教室レッスンを再開するにはまずは除菌・換気!そして飛沫拡散防止!

やることが決まったので、対策を打つために情報収集に入りました。

新型コロナウイルスに有効な除染対策を探せばいろいろな情報が出てきて迷ってしまいましたが、トーン音楽教室では「オゾン」を導入することにしました。

唯一、新型コロナウイルスを不活性化させるというエビデンスが出ている物質がオゾンです。オゾンガスを用いて空気除染や物質の表面に付着したコロナウイルスを不活性化させるという方法を取り入れることにしました。

オゾンガス生成機
オゾンガス生成機

(ちなみに池袋校にも同じメーカー様の機器を使ったオゾンでの除染方法が取り入れられています)

そして、飛沫拡散防止のために、飛沫拡散防止シートを設置しました。講師と生徒様の間に透明なビニールシートを設置して、飛沫が飛ばないように。声が聞こえにくくなったりするかしら・・・と一抹の不安もあったのですが、上面を塞がないことで、声の響きを遮ってしまわないようにし、レッスンに支障が出ないように工夫しました。

飛沫防止シート1
飛沫拡散防止シート

透明なシートだから生徒様の歌っている姿もしっかり見えます。

トーン音楽教室桜台校のレッスン室は割と広めなので、普通にレッスンしていても講師と生徒様の間は2m以上空いているので、ソーシャルディスタンスもしっかり保てています。

1レッスンを終えるごとにしかり空気の入れ替えも行い、換気に対しても十分気を使っています。

どれだけ対策を行なっても「絶対」ということは言えないのですが、とにかく今の段階では、できることをしっかり行うということが、唯一の対処法なのだと思います。

レッスンを行える幸せ

こうやってなってみて初めて、声楽レッスンを行えるという日常は当たり前ではなかったんだな〜と感じます。そもそも芸術活動は人間が生きていく上で必須なものかと言われれば決してそうではありません。芸術がなければなんとも無味乾燥、殺伐とした世の中になってしまうのは間違いありませんが、芸術そのものがなくとも人間は生物的には生きていけます。そう言った意味で、声楽レッスン教室というものは「趣味」であり「娯楽」であると言われても反論はできません。

新型コロナウイルスが拡大していく中で、人間にとって必須なもの以外は全て動きを止めようという営業自粛要請が出された時に、私たち芸術を生業とする人間たちは一気に活動休止に追い込まれました。我々は芸術活動ができなければ生活していけませんが、芸術は人間の生きていくための必需品ではないのです。日々芸術の必要性を感じながら活動していた芸術家たちからすれば、「そうだけどそうじゃない!」という歯痒い思いに身悶えした日々でした。

そのような中でも芸術活動を守ろうという動きが東京都や民間でも動き出し、以前よりもずっとずっと芸術に対する理解が進んだのは一重に最前線に立って人々の心を動かしてきた先人の芸術家の皆様のおかげだな、と痛感しました。

たかだか、小さな町の音楽教室である我々がその恩恵に預かるのは気が引ける思いもしましたが、そのような最前線で芸術の価値観を広げていってくださる方々に対して私たちが恩返しできることといえば、芸術の間口を広げて、劇場へ足を運び芸術を享受する機会を楽しみとする人たちを1人でも多く増やしていくことだな、と思っております。

そして、やっぱりつくづく思うのです。

芸術を学んだり教えたり・・・そういうことができるということは、なんと平和で幸せなことだろう!と。

声楽教室はwithコロナ時代をどう生きるか

withコロナの音楽
withこロナ時代の音楽教室

Withコロナの時代がいつまで続くのかは、正直わかりません。ワクチンができれば「はい!安心!」というわけでもないでしょうし、特効薬的なものが生まれるのもずっとずっと先の話になるでしょう。正直、新型コロナウイルスのような未知のウイルスが今後出てこないとも限りません。ずっと言われているように、大きな災害が私たちの生活圏を襲うかもしれません。

日常というものは本当に奇跡の積み重ねで、私たちが今日を生きて明日を生きることができるというのは、信じられないほどの奇跡なのだと、改めて思い知りました。

2011年、十年前にも一度感じたことだったはずなのに、人間は「日常」というものの奇跡をどうしても過信してしまうものですね。

 声楽教室、そしてミュージカル劇団、合唱団、子供のリトミック教室。すべてのレッスンが以前と同じようには行えなくなりました。未だ再開の目処が立っていないクラスもあります。けれど、「世の中が正常になるまで」待っていても、その日はやってこないかもしれません。どんな事態になっても対応していける柔軟なレッスン体制を作っていくことが今後の声楽教室の課題だと痛感しています。

そのために、どんどん新しいシステムや技術は取り入れて、芸術が人間の生活から剥離される日がこないように、日々努力していくしかないのだと思います。

 オンラインレッスンなど、取り入れられる技術は取り入れていくための準備を着々と進めています。ミュージカル劇団においては、初めての配信公演を行うことになりました。とにかく、今まで知らなかった知識をどんどん学んで取り入れていく日々が続いています。

Withコロナの時代は、学びの時代なのだと思います。「今まで」に感謝し、「これから」を努力する。いつの時代も学び続け、変化し続けることができるのが人間だと思います。私たち音楽教室も、それを体現していかなければ。そう誓った、2020年でした。

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